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マンション建設により旧軽井沢の原風景が破壊されています。関係者には原風景を回復させ維持してゆく責任があると考えます。
旧軽井沢で、マンション建設のため、皆伐で森と木陰が突然消滅する事態が続いています。閑静な別荘地にも関わらず、現在の都市計画の下で、建蔽率60%、容積率200%の第一種住居地域に用途地域指定がされていることが大きな要因の一つです。

G7軽井沢外相会合に向けて「軽井沢からの宣言」を発信

2023年4月のG7長野県軽井沢外相会合の機会に、当会より、「軽井沢からの宣言」を日・英文にて、発信させていただきました。

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旧軽井沢における景観育成住民協定について

 旧軽井沢の自然や景観を守ることを目的とした「景観育成住民協定」を策定し広げてゆくための活動を進めています。

 昨年来からの別荘民や定住者、そして軽井沢町役場、長野県とのコミュニケーションを通じ、長野県景観条例に基づいた「景観育成住民協定」を成立させることがまず必要であるとの認識に立ち、そのための情報交換会を、2021年春以降、頻繁に開催してきています。その結果多数の別荘民や定住者の皆様が、協定への参加を表明されました。2022年2月には、旧軽井沢の愛宕、二手橋周辺、陣場・釜の沢、新渡戸通りの4地区の景観育成住民協定に関し、軽井沢町の推薦を得、長野県に申請がなされました。これらの4協定は同年3月に長野県より正式認定され、3月31日に長野県の公告(第292号)に掲示されました。さらに2022年8月には、旧軽井沢のテニスコート周辺地区の景観育成住民協定が新たに認定され、9月1日に長野県の公告(第335号)に掲示されています。これにより旧軽井沢地区では現在までに5地区の景観育成住民協定が認定されています。

 今後もより多くの皆様のご参加を得て、旧軽井沢の景観を守り、継承してゆくための努力を重ねて参りたいと存じます。皆様からのご協力を宜しくお願い申し上げます。

詳細は会員専用ページを参照ください。

軽井沢 歴史と文化シリーズについて

旧軽井沢の歴史と景観を守る会主催の「軽井沢の歴史と文化シリーズ」を2021年10月よりオンラインにて開始しました。軽井沢の自然環境、歴史と文化等について、その分野のご理解をさらに深めていただき、また皆様の間の親睦のため、Zoomによるオンライン・セッションを、今後定期的に開催してゆく予定です。

第1回目(2021年10月)は、“Karuizawa Historian”としてご活躍の木下裕章氏に、『明治中期 なぜ外国人達は軽井沢に訪れたのか』のテーマで、貴重なお話を頂きました。明治中期に複数の要素、要因が噛みあい、外国人達が訪れ始めた稀有な場所であることをメインテーマに、またその中での軽井沢の別荘地としての出発をお話いただきました。

第2回目(2021年11月)は、ルヴァン美術館副館長の木田三保氏に、『西村伊作と文化学院 開学100周年を記念して、ルヴァン美術館から』のテーマで、お話を頂きました。ルヴァン美術館では、「ルヴァン美術館開館25周年 文化学院開学100周年記念 西村伊作の理想の学校 文化学院 100年前のパイオニアたち」を、2021年11月3日まで開催しました。

第3回目(2021年12月)は、高崎経済大学名誉教授、軽井沢自然保護会議委員の大河原眞美氏より、『日米の高級別荘地の徹底比較ー軽井沢町(長野県)とマーサーズ・ヴィニャード島(マサチューセッツ州)』の貴重なお話を頂きました。マーサーズ・ヴィニャード島につきましては、大河原先生ご執筆の記事は、軽井沢別荘団体連合会の『軽井沢別荘通信』2021年 vol.3にも掲載されています。

「アメリカ東部、ボストンの沖にマーサーズ・ヴィニャード島というアメリカ人憧れの別荘地があります。ケネディ家、ビル・クリントン、バラク・オバマ、ポール・マッカートニーなどの政治家、芸能人、作家などが避暑客として利用することで知られるリゾート地です。1960年度以降、開発が活発化のし、自然環境を憂慮する声が強くなってきたため、島の開発を規制する権限を持つマーサーズ・ヴィニャード島(以下MV委員会)を1974年に設立しました。これまで、ホテルの乱立の規制や農地をショッピングセンターに転用することに認可を与えないなどの活動を行い調整してきました。MV委員会では「特定開発危機的憂慮地帯(DCPCs)」「地域全体を破壊する開発(DRIs)」、「計画・立案」の三つの活動を行っています。DCPCsは自然生態系や歴史・文化保存に破壊をもたらすと思われる計画を規制し、DRIsは島の外観を損ねる開発など広範囲にわたる開発計画を検討します。また、計画・立案として、交通整備や自然保護、水資源の保護、経済発展と住宅供給などを計画し進めています。」(同記事からの抜粋です)

第4回目(2022年4月)は、神奈川大学教授の内田青蔵氏より、『橋口信助とあめりか屋の洋風住宅』について、ルヴァン美術館にて、貴重なお話を頂きました。野澤源次郎氏の別荘地開発は、大正期ごろの別荘地軽井沢の形成の中心部分と位置付けられますが、野澤源次郎と組んだ橋口信助氏とアメリカ屋による活動や洋風別荘建築は、その後の軽井沢での別荘建築にも大きな影響を与えました。内田教授のご著作である『あめりか屋商品住宅―洋風住宅開拓史』では、軽井沢、そして各地で橋口信助氏の業績が示されています。

第5回目(2022年8月)は、横浜日独協会常務理事の大堀聰(おおほりそう)氏より、ご近著である『心の糧(戦時下の軽井沢)』について、ルヴァン美術館にて、貴重なお話を頂きました。「戦争中の軽井沢には「食糧」は無かったが「心の糧」があったとある体験者は語った。当事者の証言、資料からこの言葉を裏付けるような史実、また逆の史実も合わせて積み上げ、戦時下の軽井沢を再現しようとする。」戦前、戦中、戦後の歴史ある各別荘の姿とそこに住んだ人々の生活や思想が浮き彫りにされ、大変貴重な研究資料です。

第6回目(2022年9月)は、新軽井沢会館で、リアル+オンラインのハイブリッド形式にて、

  1. 筑波大学名誉教授谷村秀彦氏のご講演で、『我が国の都市計画制度の持つ惰性:都市計画では景観は守れない
  2. 所源亮氏三善里沙子氏との対談で、『軽井沢:何を守るのか?

についての貴重なお話を頂きました。

第7回目(2023年2月)は、和光大学表現学部 総合文化学科 准教授、早稲田大学文学学術院 非常勤講師の田村景子氏を講師にお招きし、『文豪たちの軽井沢』のご演題でお話を頂きました。軽井沢を訪れ作品執筆をした文豪たちは、例えば、森鷗外、正岡子規、徳富蘆花、尾崎紅葉、田山花袋、幸田露伴、正宗白鳥、夏目漱石、有島武郎、北原白秋、室生犀星、与謝野寛・晶子、堀辰雄、芥川龍之介、川端康成、志賀直哉、寺田寅彦、立原道造、丸岡明、中村真一郎、野上彌生子、三島由紀夫、遠藤周作、さらに多くの作家がおられます。多くの文学者を魅了し、その創作活動の場となった軽井沢と文豪たち、その住処などにつきまして貴重なお話を頂きました。

第8回目(2023年4月)には、軽井沢文化遺産保存会会員の伊藤光宏氏による、『古絵葉書で蘇る大正・昭和の避暑地軽井澤風景―旧道・水車の径を中心に―』を開催しました。伊藤光宏氏は、軽井沢関連の古い紙媒体(絵葉書・写真・チラシ・書籍等)の収集と研究を長年行ってきておられ、文学・随筆・自伝などに遺された大正・昭和の軽井沢風景を当時の別荘案内図でたどりながら、古絵葉書や古写真などを交えて貴重なご紹介を頂きました。軽井沢文化遺産保存会主催のフォーラム等でも大変興味深い、素晴らしいお話を頂いております。

講演内容は会員専用ページからYouTubeにてご覧になれます。