2020年12月 軽井沢町長への要望書提出
2020年12月10日、軽井沢文化協会、別荘団体連合会、軽井沢自然景観会議は「良質な軽井沢の別荘地」宣言を軽井沢町長に渡しました。その機会に、当会は別荘団体連合会とともに、下記趣旨の要望書を軽井沢町長にお届けしました。
- 旧軽井沢の高原保養都市軽井沢のシンボル的な存在として、その原風景を守るため、旧軽井沢地区を歴史と景観を守るための歴史保存地区への指定や、マンション建設や皆伐による別荘建設等を制限、監視するため、「軽井沢町の自然保護対策要綱」等のより厳格な適用と指導、見直し等も含めた対応を行うこと。
- 旧軽井沢地区での、歴史と景観を保護し、次世代への承継を確実に行えるような支援策を町・県レベルで導入すること。
- 以上の旧軽井沢の歴史と景観を守るための議論が、旧軽井沢の別荘所有者の意見を適切に反映した体制で行われること。
2021年1月 京都市景観政策に関し、京都市都市計画局との情報交換会を開催
当会会員の紹介により、京都市景観政策に関し、京都市都市計画局との情報交換会を開催しました。軽井沢側からは、町議会議員1名を含め10名が参加しました。京都市の景観政策の歴史、現在の景観規制の体系、具体的施策とともに、軽井沢町の現在の景観規制等との比較を行うことが出来ました。
2021年2月 軽井沢町長への要望書提出
別荘団体連合会との連名で、「要綱」のより実効性のある運用や規制の導入等に関し、追加の要望書を軽井沢町長にお届けしました。(詳細は会員専用ページをご覧下さい。)
2022年 長野県、旧軽井沢5地区の「景観育成住民協定」を正式認定
2021年春、軽井沢町役場等とのコミュニケーションを通じ、長野県景観条例に基づいた「景観育成住民協定」を成立させることがまず必要であるとの認識がなされました。その後、景観育成住民協定のための情報交換会を精力的に開催し、多数の別荘民、定住者の皆様が参加を表明するに至りました。
2022年2月には、旧軽井沢の愛宕、二手橋周辺、陣場・釜の沢、新渡戸通りの4地区の景観育成住民協定に関し、軽井沢町を経て長野県に申請がなされました。そして同年3月に長野県は同協定を正式認定しました。(長野県公告はこちら)
さらに2022年8月には、旧軽井沢のテニスコート周辺地区の景観育成住民協定も正式認定がなされました。
2023年7月 軽井沢町長への要望書提出
2024年4月 軽井沢町長への要望書提出
2024年4月「景観協定プレート」協定参加者へ配布開始
2024年6月 景観育成住民協定の参加者と対象面積が大幅に拡大
2024年6月、旧軽井沢の景観育成住民協定では、旧軽井沢の従来の5地区のうち3協定地区で新規加入者を登録、さらに新規の地区協定がほどなく認定される見込みです。その結果、これらの6地区の協定対象面積は、従来の約32haから約50haへ、協定加入者数は大幅な増加となります。また協定加入者を含め、「同意書」を頂いている方の総数も非常に増加しています。さらに旧軽井沢以外では、追分で、2地区の景観育成住民協定が認定されました。
旧軽井沢地区の「景観育成住民協定」は長野県の景観法に基づき、長野県により認定されていますが、認定された地区等の情報は、軽井沢町公式ホームページを参照ください。
長野県景観条例 | 長野県軽井沢町公式ホームページ (karuizawa.lg.jp)
また軽井沢町では2024年7月より「自然保護対策要綱等改正検討部会」が開催されました。
(詳細は会員専用ページをご覧下さい)。
軽井沢 歴史と文化シリーズについて
旧軽井沢の歴史と景観を守る会主催の「軽井沢の歴史と文化シリーズ」を2021年10月より開始しました。軽井沢の自然環境、歴史と文化等について、その分野のご理解をさらに深めていただきたいと存じております。
第1回(2021年10月)“Karuizawa Historian”としてご活躍の木下裕章氏に、『明治中期 なぜ外国人達は軽井沢に訪れたのか』のテーマで、明治中期に複数の要素、要因が噛みあい、外国人達が訪れ始めた稀有な場所であることをメインテーマに、またその中での軽井沢の別荘地としての出発をお話いただきました。
第2回(2021年11月)ルヴァン美術館副館長の木田三保氏に、『西村伊作と文化学院 開学100周年を記念して、ルヴァン美術館から』ルヴァン美術館では、「ルヴァン美術館開館25周年 文化学院開学100周年記念 西村伊作の理想の学校 文化学院 100年前のパイオニアたち」を、2021年11月3日まで開催しました。
第3回(2021年12月)高崎経済大学名誉教授、軽井沢自然保護会議委員(当時、現在議長)の大河原眞美氏より、『日米の高級別荘地の徹底比較ー軽井沢町(長野県)とマーサーズ・ヴィニャード島(マサチューセッツ州)』大河原氏のマーサーズ・ヴィニャード島についての記事は、軽井沢別荘団体連合会『軽井沢別荘通信』2021年 vol.3にも掲載されました。
第4回(2022年4月)神奈川大学教授の内田青蔵氏より、『橋口信助とあめりか屋の洋風住宅』野澤源次郎氏の別荘地開発は、大正期ごろの別荘地軽井沢の形成の中心部分と位置付けられますが、野澤源次郎と組んだ橋口信助氏とアメリカ屋による活動や洋風別荘建築は、その後の軽井沢での別荘建築にも大きな影響を与えました。内田教授のご著作である『あめりか屋商品住宅―洋風住宅開拓史』では、軽井沢、そして各地で橋口信助氏の業績が示されています。
第5回(2022年8月)横浜日独協会常務理事の大堀聰(おおほりそう)氏より、近著の『心の糧(戦時下の軽井沢)』について、お話を頂きました。「戦争中の軽井沢には「食糧」は無かったが「心の糧」があったとある体験者は語った。当事者の証言、資料からこの言葉を裏付けるような史実、また逆の史実も合わせて積み上げ、戦時下の軽井沢を再現しようとする。」戦前、戦中、戦後の歴史ある各別荘の姿とそこに住んだ人々の生活や思想が浮き彫りにされ、大変貴重な研究資料です。
第6回(2022年9月)筑波大学名誉教授谷村秀彦氏『我が国の都市計画制度の持つ惰性:都市計画では景観は守れない』
所源亮氏・三善里沙子氏対談『軽井沢:何を守るのか?』
第7回(2023年2月)和光大学表現学部 総合文化学科 准教授、早稲田大学文学学術院 非常勤講師 田村景子氏より『文豪たちの軽井沢』のご演題でお話を頂きました。軽井沢を訪れ作品執筆をした文豪たちは、例えば、森鷗外、正岡子規、徳富蘆花、尾崎紅葉、田山花袋、幸田露伴、正宗白鳥、夏目漱石、有島武郎、北原白秋、室生犀星、与謝野寛・晶子、堀辰雄、芥川龍之介、川端康成、志賀直哉、寺田寅彦、立原道造、丸岡明、中村真一郎、野上彌生子、三島由紀夫、遠藤周作、さらに多くの作家がいます。多くの文学者を魅了し、その創作活動の場となった軽井沢と文豪たち、その住処などにつきまして貴重なお話を頂きました。
第8回(2023年4月)、軽井沢文化遺産保存会会員 伊藤光宏氏『古絵葉書で蘇る大正・昭和の避暑地軽井澤風景―旧道・水車の径を中心に―』伊藤氏は、軽井沢関連の古い紙媒体(絵葉書・写真・チラシ・書籍等)の収集と研究を長年行ってきておられ、文学・随筆・自伝などに遺された大正・昭和の軽井沢風景を当時の別荘案内図でたどりながら、古絵葉書や古写真などを交えて貴重なご紹介を頂きました。軽井沢文化遺産保存会主催のフォーラム等でも大変興味深いお話を頂きました。
第9回(2023年8月)『続 心の糧(戦時下の軽井沢)』大堀聡氏(Part2)戦前、戦中、戦後の歴史ある各別荘の姿とそこに住んだ人々の生活や思想がさらに浮き彫りにされ、大変貴重な研究資料を共有することができました。
第10回(2023年8月)田村景子氏『文豪たちの軽井沢』 (Part2) 多くの文学者を魅了し、その創作活動の場となった軽井沢と文豪たち、そうした偉大な文化的創造をもたらした軽井沢の価値の真髄に迫るご議論を共有できました。
第11回(2024年2月)谷村秀彦氏、他『軽井沢町・長野県における景観行政について』現在までの長野県、軽井沢町の自然保護対策、都市計画、景観関連ガイドライン、景観育成住民協定等の役割、枠組み、実際の運用等、さらに文化庁の文化財保護法の下での枠組み等についての報告と意見交換がなされました。
第12回(2024年3月)『気候変動リスクのリアリティと森林の重要性について=軽井沢からの視点=』COP28の直前に最終公表された、政府間気候変動パネル(IPCC)による第6次統合報告書などの直近までの報告書による「世界の気候変動シナリオ」を分析・共有し、併せ、日本、長野県、軽井沢町における気候変動対策や森林の重要性等についての科学的知見などの報告と意見交換が行われました。
第13回(2024 年5月)『軽井沢の価値とはーその承継と発展のために』軽井沢の価値とは何だったのかー自然環境と景観、歴史と文化、そこを訪れる人々の交流と創造の歴史を、日本史や世界史の観点からも改めて様々な観点から振り返り、活発な議論がなされました。
第14回(2024 年8月)『明治期の三笠ホテルと旧軽井沢』伊藤光宏氏 『旧軽井沢と国指定重要文化財・旧三笠ホテル』
第15回 (2024 年8月)『武助日記から読み解く幕末の軽井沢宿の暮らし』一色文枝氏・谷村秀彦氏
(詳細は会員専用ページをご覧下さい)